草間彌生の水玉ピアノを、自分で弾ける。都庁で1人5分の出番
草間彌生がデザインを監修した、黄色に水玉模様のグランドピアノ。その鍵盤を、展望室に来た人が自分で弾ける。東京都庁の南展望室に置かれた「都庁おもいでピアノ」は、眺めるだけの展示物ではなく、来場者が音を出せる楽器として案内されている。演奏は無料で、1回の持ち時間は5分以内だ。
東京都財務局が2026年1月9日に公開した紹介によると、このピアノが登場したのは、改修を終えた南展望室が再開した2019年4月。都が寄贈を募り、都民から贈られたグランドピアノに、草間がデザインを施す計画だった。監修はピアノ本体だけでなく椅子にまで及んだという。誰かの楽器が、街を訪れる人たちで順番に弾く一台へと姿を変えた。
利用は予約制ではなく、もう一度弾きたい場合は列へ並び直す。都の紹介は経験を積んだ人だけでなく、初心者にも演奏を呼びかけている。一方、弾き語りや別の楽器との合奏、ライブ配信などはできず、SNSで演奏予定を予告することも禁止されている。自分の短い出番の後には、次の誰かへ鍵盤を渡す。
新宿で景色を見る寄り道に、音を出す時間まで加えられる。ただし、展望室が開いている時間すべてで演奏できるわけではない。利用時間や休室日は、出かける前に都の最新案内を確認したい。水玉のピアノを写真で知っていた人も、次は鍵盤の前に座る側になるかもしれない。長いステージを用意しなくても、5分以内の一曲が、その日の新宿の思い出になる。